【初期研修医向け】おすすめエコーの本7選!

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おすすめ参考書

これまで初期研修で色々な科をローテーションしてきて
さまざまなエコーの手技を教わる機会に恵まれました。

救急、循環器、消化器、泌尿器、産婦人科などはもちろん、
最近は呼吸器科でも肺エコーなどが普及しており、
整形外科でも関節や筋肉をエコーで見たり、
骨折もエコーで診断できる時代です。

「CTやMRIがあるのに今更エコー?」

と思われるかもしれませんが、
簡便であり、大きな副作用も無いので
研修医的にもやりやすい手技の一つだと思います。

今回は私が今までに購入したエコーについての本を紹介したいと思います。

救急で役立つ本を3冊、臓器別の専門的な内容の本を4冊紹介しています。

興味があれば是非読んでみてください。

救急で役立つ3冊!!

あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾〜ABCDの評価から骨折、軟部組織まで、ちょこっとあてるだけで役立つ手技のコツ

この本は救急の現場で使うエコーに絞って解説しています。

基本となるFAST(focused assessment with sonography in trauma)から
胆嚢、腎臓(水腎症、尿管結石)、虫垂炎、心エコーの初歩、中心静脈穿刺、
さらに最近流行りの肺エコーに至るまで幅広く押さえており、最初の1冊に最適な本です。

色々なエコーの本を読んでみましたが、
FASTについてしっかりページ数を割いている本は案外少ないので、
基礎の基礎から勉強したい人向けです。

その他、腰椎穿刺でどうしても棘間が触れないときのエコーや
蜂窩織炎などの軟部組織の疾患、気道エコーなど、
この本を読むまで考えもしなかった使い方も紹介しています。

エコーの可能性の広さを気付かせてくれるという意味でも、
個人的には重要な1冊です。

一方で、一つひとつの疾患についての解説は最低限にとどめているので、
詳しい内容は他の本に譲ることになります。

こんなに役立つpoint of care超音波−救急ICUから一般外来・在宅まで

「あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾」と同じ著者の本ですが、
こちらはややマニアックなエコーが中心です。

気道エコーや肺エコー、中枢神経エコー(眼球エコー)などを
より詳しく解説しており、またエビデンスも豊富に紹介されています。

脳圧亢進をみるための眼球エコーについては
「あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾」ではほんのわずかに触れる程度でしたが、
この本ではしっかりページを割いてくれています。

それぞれの項目で基礎編・応用編に分かれていますが、
若干読みづらい部分はあるので初学者には取っつきにくい本ではあります。

それぞれの項目で基礎編・応用編に分かれていますが、若干読みづらい部分はあるので初学者には取っつきにくい本ではあります。

基本的なところをもう少し勉強したい場合は
次に紹介する本がおすすめです。

救急・プライマリケアで必要なポイントオブケア超音波

救急で必要なエコーをしっかりと学びたい人向けの一冊がこちらになります。

外傷でよく使うFASTや
ショックの時に行うRUSH(rapid ultrasound in shock)、
エコー下の末梢ルート確保まで網羅しています。

個人的にはFASTにしっかりとページを割いてくれているのがとても気に入っています。
「あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾」でも書いていますが
FASTをしっかりと解説している本は案外少なく、
この本は見分けるのが難しい異常像も載っており勉強になります。

各臓器のエコーについても「救急で必要な」ものに絞って解説してあるので、
まずはこの本から入ってみるのもいいかもしれません。

ちなみに巻末のシリアルコードで
電子版の閲覧ができます。
日本医事新報社のwebサイトで見れますが、
アプリなどは無いので個人的には使い勝手はいまいちです。

もっと勉強したい人向け!臓器別エコー4冊

パワーアップ いまさら聞けない腹部エコーの基礎 第2版

腹部エコーは見る臓器が多いので大変ですが、
しっかりと勉強したいという方におすすめな一冊です。

かなり分厚いですがその分必要な内容はほとんど網羅されており、
画像も豊富なので買っておいて損はないです。

またエコーの原理やプローブの種類など
エコーの基礎知識についてもしっかりと解説してあるので
初学者向けだと思います。

どちらかと言うと救急よりは消化器内科研修の際に
腹部のスクリーニングを行うときに役に立ちます。

価格は結構高いです。付属のDVDは一度見ましたが、
そこまで見なくてもいいかなと思いました。

そうだったのか! 絶対わかる心エコー〜見てイメージできる判読・計測・評価のコツ

個人的に心エコーは他の臓器のエコーに比べかなりハードルが高いと思います。

ハードルが高くなる原因としては
・そもそも描出が難しい(左側臥位になれない、肺気腫、肥満などなど)
計測項目が多い(研修医レベルでは全てできる必要はないですが)
動く臓器なので本だけでは勉強できない
などがあると思います。

特に3つ目が厄介で、心エコーに関しては実践することがなにより大事だと考えています。

私は今紹介している本を購入しましたが、
プローブの当て方はそこまで詳しく書いておらず、
循環器科の研修中に技師さんに直接教わって描出のトレーニングをしていました。

細かい計測項目についてはしっかり載っているので、
心エコー報告書の読み方を後からこの本で勉強していました。

心エコーの描出の仕方が詳しく書いてある本があればぜひ私にも教えて下さい…

超音波でわかる運動器疾患−診断のテクニック

検査技師の方に「運動器のエコーでおすすめの本ありますか?」と聞いてみたら
真っ先に勧められたのがこの本です。

最近は整形外科領域でもエコーを使う頻度が増えているようで、
骨折の他筋肉や腱、靭帯の疾患にも有用です。
関節リウマチもエコーで見ることができます。

運動器エコーは外傷(スポーツ外傷も含む)で非常に役に立ちます。

X線やCTでは評価の難しい筋肉、腱、靭帯も
エコーで評価できることがあります。
肩の腱板断裂、アキレス腱断裂、肉離れなどを診断できるといいですね。

描出は結構難しいですが、
運動器はほとんどが左右対になっているので
両方とも当ててみて左右差を見ることができます。

この本では上肢・下肢のそれぞれの筋肉、腱、靭帯の解剖から
それぞれの当て方、エコーでの見え方など詳しく載っています。

値段はそれなりにしますが、正常画像もかなり豊富なので
1冊あれば運動器エコーで困ることはないでしょう。

血管エコーハンドブック

脳梗塞の頸動脈エコーや大動脈解離をエコーで出したいと思って買ってみた本です。

頸動脈エコーは、明らかに脳梗塞が疑われる人は即MRIなのでする暇はないですが
微妙な症例や、TIAが疑われる人などでは
プラークの有無などを見ることもあるので
その時に役に立っています。

エコー写真も豊富ですが他にも模式図もたくさん載っており
またカラーなのでドップラーも見やすいです。

腎動脈エコーやASOについても載っていますが
する機会もなくほとんど読めていません。

十分活用できているとは言えませんが、
頸動脈エコーだけでも非常に重宝しています。

最後に

学生の頃は「エコーって何が何だかわからない」
と思っていました。

しかし研修医になって自分でエコーを当てるようになると
試行錯誤しながら狙った臓器を描出できた時は面白いと思えるようになりました。

さらに、本を読むと
「こういうやり方もあるのか!」
「エコーでこんなのも見ることができるのか!」
などたくさんの発見があります。

正直今でも他の人が当てたエコーはよくわかりません(笑)
自分でやらないと面白くないので、積極的に当ててみることをお勧めします!

Twitter:@yutoridesuga113
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