最近、質問箱に直前講座に関する質問をいくつか頂きました。
質問箱で回答する代わりにこの記事でお答えしようと思います。
まず複数の予備校の直前講座を受講するのはアリです。
私はTECOMのラストV、MECのLast Message、medu4の究極MAPを受講しましたが、
問題なくすべて受講できました。
勉強のスケジュールに大きく支障をきたすこともありませんでした。
上記3つに加えてQ-Assistの直前Assistを受講していた人も周りにはいました。
一口に直前講座といっても各予備校でスタイルが全く異なりますから
それぞれの特徴を把握したうえで選択していくのがベストです。
どれか一つを選ぶとしたら、個人的にはmedu4>MEC>TECOMの順でお勧めします。
Q-Assistの直前講座はコマ数が少なく単独では物足りないですが、
その反面他の予備校と合わせて使いやすいのがメリットです。余裕があれば取ってもいいかもしれません。
この記事ではそれぞれの予備校の直前講座についての解説と、
2つ目の質問にある究極MAPの使い方について説明します。
以前書いた各予備校の記事も参考になると思うので、
それぞれの予備校の見出しの下にリンクを貼っております。
ラストV(TECOM)
国試5日前から配信される直前講座です。
三苫先生は登場せず塙先生、李先生、瘧師先生が担当。
2019年112回以前は国試前日に5時間くらいかけて行っていたため不評だったようですが、
今回(113回向け)より5日前からメジャー科→産婦人科・小児科→マイナー科→公衆衛生の順に開講するようにしたため復習がしやすくなりました。
一般知識中心の講座で、問題解説はありません。
かなり細かいところまで網羅されていますが、
100回以前の問題にしか出ていない知識も多々あり、
正直オーバーワーク感は否めません。
画像は豊富です。
medu4の究極MAPはイラスト中心で、過去問の画像は掲載がないため一応差別化は図れます。
ラストVの使い方は1度だけ視聴して、大事そうなところや忘れがちな部分に蛍光ペンを引くなどして復習するのが一番良さそうです。
配信は国試最後の週なので、時間の余裕はありません。
そのため2回目以降の視聴はお勧めしません。
私は究極MAPに載ってない事項で、重要そうだと(勝手に)判断した知識だけを
究極MAPのテキストに書き加えていきました。
予想はほぼ当たりませんでした。期待しない方がよさそうです。
産婦人科・小児科・マイナー科・公衆衛生を担当する瘧師先生の講義は
ゴロ合わせや覚え方を沢山教えてくれるので直前の詰め込みにかなり役立ちます。
上記の分野が苦手な人は受講するのもありかも。
国試1日目の夜に30分ほどの講義がありましたが、予想中心で各科1~2ポイントの解説のみでした。
余裕があれば受講しても良さそうですが、無理して受けるよりは
孝志郎の予想メールを確認したほうがいいかも。
Last Message(MEC)
国試超直前に行われ、必修特化の臨床問題を中心に最終確認と予想を行います。
今回紹介する直前講座の中で唯一予習が必要な講座です。
といっても問題数は80問程度であり、そこまで負担にはなりません。
受講方法は大きく2つあります。
・1月後半から開始する会場でのライブ講義を受講する
・国試3日前のみの限定ネット配信(ビデオ講義)を受講する
※ただしライブ・ネット共に定員があります。
受講した感想としては以下の通り。
①サマライズを受講してなくても大きく困ることはない
②国試本番のメンタルの保ち方を聞ける
③予想というよりは引っ掛かりやすい落とし穴の確認
Last Message単体で受講してもそこまで支障はありません。
ただサマライズの内容を「Dr.孝志郎の必修予想講座」、「MEC直前予想講座」、そしてこの「Last Message」で三回復習することで記憶が定着していくので、
サマライズを受講していた方がより深みを増すことは確か。
ですがLast Messageでは特に国試本番でのメンタルの保ち方や、
Dr.孝志郎の国試受験時の話など問題演習以上に大切な話を聞けるので、
必修が不安な人やメンタルに自信のない人は受講する価値ありです。
いい感じに肩の力が抜けると思います。
予想に関してはむしろ直前メールの方が中心で、
レベルの高いひっかけ問題も用意されています。
そのため過去問演習がしっかり終わっていて、直前期にすることがなくなっている人にはおすすめです。
公衆衛生の範囲は無いに等しいので別途対策が必要です。
究極MAP(medu4)
1月中旬に開講する、総まとめの直前講座です。全8コマ。
TECOM同様、一般知識の整理がメインとなり、問題演習はありません。
すべての科の内容をそれぞれ1~2枚にまとめた究極の「効率化ノート」。
公衆衛生や老年医学、必修まで網羅しています。
イヤーノートを更に近年国試用に圧縮したようなものと言えるでしょう。
講義はテキストの内容をひたすら穂澄先生が読み上げるという内容です。
すごく良い講座なのは間違いないのですが、使い方は注意が必要です。
ポイントは以下の通り。
①何周も受講する必要がある
②講義を聞きながらテキストを読まなければ意味がない
③問題演習は別に行う必要がある
④過去問の研究をある程度している人しかおすすめできない
①何周も受講する必要がある
究極MAPは何回も視聴することで効果を発揮する講座です。
(周回を前提としていると言ってもいい)
この点は他の予備校の直前講座とは一線を画します。
そのため可能であれば1月中旬に開講されてから直ぐに受講を始めて、
国試までの限られた時間をフルに使って2~3周受講するのがセオリーとなります。
何周もする必要がある理由は、
単純に話している内容が膨大すぎるため1回では全て消化しきれないからです。
私の受講方法は、
1周目:1コマ1時間の講義を2~3時間かけて受講(周りも1周目は2~3時間かかっていました)。
テキストの穂澄先生手書きのメモや口頭で言ったポイントを板書しつつ、
個人的に覚えていなかった知識はチェックしていました。
2周目:1.5倍速で視聴。板書する内容は減ったので1周目よりは時間はかかりませんが、
1周目の時には聞き漏らしていた内容が意外とあることがわかりました。
2周すれば聞き漏らしはほとんどなくなります。
3周目:苦手な項目のみに絞って最終の確認を行いました。
板書することはほとんどありませんでした。
国試前日にも視聴したかったのですが、
ラストVや直前メールの確認などに追われて公衆衛生の1コマのみしか視聴できませんでした。
国試直前の視聴のタイミングはしっかり確保しておいた方がいいでしょう。
②講義を聞きながらテキストを読まなければ意味がない
この点は受講後しばらく勘違いしていたことです。
2周目が終わった時点で講義の受講を辞め、
問題演習をしながら間違っているポイントを究極MAPのテキストで確認していましたが、
この方法では全く頭に入ってきませんでした。
この時は原因はよくわかっていませんでしたが、
しばらくして3周目を視聴した時に
“究極MAPのレジュメは講義を視聴しなければ効果が薄い”と気付きました。
究極MAPは各疾患について症状や治療などが短く記述されており、
これだけでは無機質なノートです。
これをストーリーとして理解するためには、
講義を聞きながらテキストを見る(+板書する)必要があります。
究極MAPはいわば他人のまとめノートを見ている状態であり、解説なくしては完璧にはならないのです。
従って、講義は全く受講せずにテキストのみをダウンロードしたり、
友人の究極MAPを見せてもらって勉強するなどでは、
学習効果がほとんど期待できないと思いますから私はお勧めしません。
何回も受講してテキストを見ただけで穂澄先生が口頭で言っていた内容がスラスラ出てくるようになれば完璧でしょう。
③問題演習は別に行う必要がある
TECOMのラストVと同様に究極MAPは問題演習は無いため
問題演習は自力で行わなければなりません。
問題演習はmedu4でもQBでもいいです。
知識の漏れを防ぐためには
問題演習をしながら苦手だと感じた分野の講義をもう1度聞き直す
というやりかたが最も効果が上がる方法だと考えています。
④過去問の研究をある程度している人しかおすすめできない
究極MAPは過去7年分の出題内容をほぼ網羅していますが、
予想はほとんどありません。
予想より過去問の内容を完璧にすることに主眼が置かれている講座なので、
既に過去問の研究・演習が終わっている人には物足りないものになります。
一方で過去問演習がほとんど終わっていない人にとっても、
あまりに内容が膨大すぎてお勧めできません。
過去問演習が3年~5年分終わっているがそれ以前までする時間のない人には、
非常におすすめできる講座です。
私は過去3年分を2周終わらせてから究極MAPを受講し始めましたが、
過去問の確認と3年分では足りない知識の補完の両方ができ、非常に有意義なものとなりました。
究極MAPは非常に人を選ぶ講座です。
特に④は重要なので受講前に確認しておくことをお勧めします。
直前Assist(Q-Assist)
国試5日前に開講する予想講座です。
私は受講していないため受講した人に聞いた感想のみです。
medic media模試を受験した人は無料視聴できる講座です。
※模試を受験してなくても有料で受講可能でした
※2019年度はまたシステムが変更になるかもしれません。
RS3PE症候群のようなかなりマニアックな予想もあり、
全く聞いたことのない知識は無視してもいいかもしれません。
覚えるものと覚えないものは自分の中で取捨選択したほうがいいです。
救急に関しては非常に評判は良かったようでした。
わずか90分の講座なので余裕のある人は受講してもいいかもしれません。
ただ、直前にこの講座だけでは心許ないのも事実です。
現状は他の予備校の直前講座にプラスアルファする使い方がベストです。
最後に
究極MAPの受講上の注意点は以下の記事も非常に参考になると思います。
この記事を読んだのは国試終了後でしたが、
国試直前に究極MAPを受講して感じていた違和感を見事に言語化していました。
ちなみに誤植に関しては、2018年度版を受講した限りでは
数か所ほどある程度でそこまで気になるほどではありませんでした。
このブログを書いたいろはすさんが究極MAPを「劇薬」と表現したのは、
非常に良い講座ではあるものの使い方を間違えると全く効果がない可能性があるからでしょう。
特に国試直前では致命的となりかねません。
究極MAPに限らず、「多くの人が勧めているから良いものに違いない」
と信じてかかるのは危険です(このブログの意義がなくなってしまうような発言ですが…)。
良いか悪いかの判断は結局のところ「自分にとって良いか悪いか」です。
「この講座はなんか微妙な気がするけど、みんなやってるから続けてみよう」
というのは危険かもしれません。
どれだけみんなが勧めていても、自分には合わないと感じたらやめるのも選択肢の一つです。
お金と時間の許す限りいろいろと試しながら、自分にとってのベストを見つけていきましょう。
このブログが皆さんのベストを見つけるための、助けになれば幸いです。
Twitter:@yutoridesuga113
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コメント
[…] こちらの記事にて。 […]
[…] 直前講座に関してはこちらの記事も参照してください。 […]
[…] 直前講座についてはこちらの記事も参照してください。 […]
[…] 私自身も究極MAPの使い方がわからなくなった時期があり、そのことについて詳しくはこちらの記事に書きました。 […]
[…] 直前講座についてはこちらの記事も参照してください。 […]
[…] こちらの記事にて。 […]
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